あのこの好きな本

『ハッピーモンキー』と『キタキツネのおもいで』という本があります。
あの子の好きな本です。

「はっぴー　はっぴー」または「おもいで　おもいで」と言い、
その本を持ちながら私の膝に座ります。
ページをめくり、好きなページになると笑い、
おしまいなるとまた　初めからページをめくります。
それを何回か繰り返し、満足すると、
「おかたずけ　おかたずけ　おかたずけ」と言いながら　
自分の宝箱にその本をしまいます。
優しい　穏やかな時間が流れています。

そのうちに　本が読めるようになり、自分のことを考える年齢になったら、
読んであげてないページを読み、本当のことを知る日が来るのでしょう。

その日が来ることを思いつつ、本を読み直しました。